薬の安全な使い方
薬は大事なもの、でも副作用があります。薬剤師などの専門家に相談しましょう
薬局や薬店での薬の購入にあたっては、薬の専門家である薬剤師に相談し、薬の名前、効能、副作用、飲み合わせ、注意事項などを知って安全に使いましょう!
<大衆薬によるものと考えられる副作用症例(平成10年~14年度)>
薬効分類 | 症例数 | 主な副作用 |
---|---|---|
かぜ薬 | 341 | アナフィラキシー・ショック、スティーブンス・ジョンソン症候群、肝機能障害等 |
解熱鎮痛剤 | 150 | アナフィラキシー・ショック、スティーブンス・ジョンソン症候群、肝機能障害等 |
滋養強壮保健薬 | 68 | 紅斑、発疹、肝機能障害等 |
鎮痛・鎮痒・収れん・消炎薬 | 61 | 紅斑、接触性皮膚炎等 |
漢方製剤 | 50 | 肝機能障害、間質性肺炎、喘息等 |
鼻炎用内服液 | 39 | アナフィラキシー・ショック、肝機能障害等 |
眼科用薬 | 37 | アナフィラキシー様反応、角膜炎等 |
胃腸薬 | 33 | 肝機能障害等 |
その他 | 280 | |
合計 | 約950 |
- アナフィラキシー・ショック:血圧低下、呼吸困難等のショック症状。
- スティーブンス・ジョンソン症候群:発熱、発疹、粘膜のただれ、眼球の充血等の症状を特徴とし、予後が悪い場合、失明や致命的になることもある。
- アナフィラキシー・ショックやスティーブンス・ジョンソン症候群は、広範な一般用医薬品により起こりうるものとされている。
薬局や薬店にもいろいろあります
ひとことで「薬屋さん」といっても、薬剤師のいるところといないところがあります。「○○薬局」という名前の薬屋さんには必ず薬剤師がいます。「△△薬店」という名前の薬屋さんでは、薬剤師のいる店と薬剤師のいない店があります。またこれには「××ドラッグストア」となっている場合などでも同じです。
日本の薬に関する制度は複雑ですが、その中に国家資格の薬剤師以外に都道府県の知事が試験をして認めている「登録販売者」という資格があります。
登録販売者とは、一般用医薬品の中でも比較的作用の緩和な第二種および第三種医薬品を扱うことのできる資格です。
薬局もしくは「一般販売業」の薬屋さんには必ず薬剤師がいます。普段は病院や診療所にかかることはなくて、たまに風邪薬を買うぐらいという場合なら、薬剤師のいる薬店(一般販売業)をかかりつけ薬店にしても良いと思います。でもお薬の相談は必ず薬剤師にしましょう。
しかし、お医者さんの薬を飲んでいる人の場合は、調剤もでき風邪薬なども買える薬局をかかりつけ薬局にすると、大衆薬の相談もお医者さんのお薬の相談もできて安心ではないでしょうか。
副作用-特にこういう人は気をつけよう!
自分が次にあてはまるか考えてみよう
- 特異体質(アレルギーなど)のある人
- 過去にひどい副作用を経験している人
- 他にも薬を飲んでいる人
- 妊娠している人
- 仕事などで特別な環境にある人(例:高所作業者、ドライバーなど)
副作用は必ずしも現れるというものではありません。しかし、上記のような人は副作用が現れやすいので、服薬する上で一層の注意が必要です。大衆薬を買うときには薬局の薬剤師に、医師の診察を受ける際には医師にその旨を伝え、相談するようにしましょう。
副作用がでたら
● 症状がひどい場合は服薬中止が原則
● 医師の薬のときは自己判断は危険
副作用と思われる症状を感じたとき、異常を感じたときには、服薬を中止することが原則です。副作用の多くは、原因となる薬を中止することで回復が期待できるからです。
服薬中に異常を感じたら、大衆薬の場合には、購入した薬局の薬剤師に相談し、症状が長引いたり、ひどいようでしたら、医師の診察を受けるようにしましょう。
また、医師の処方した薬の場合でも医師や薬剤師に相談することが必要です。例えば、、血圧の薬などの中には、自己判断で急に中止すると危険なケースもありますので注意してください。
医師、薬剤師に相談する際には、「何をどのくらいの量・期間使用し、どのような症状が出たか」を分かるようにしておきましょう。
「医薬副作用被害救済制度」をご存知ですか?
この制度は、医薬品副作用被害救済・研究振興調査機構法に基づく公的制度です。
医薬品を正しく使用したにもかかわらず、入院を必要とするなどの重篤な副作用が生じた場合には、医療費、医療手当、障害年金、遺族年金などの救済給付が行われています。
救済給付の請求については、独立行政法人 医薬品医療機器総合機構へご相談ください。
制度の仕組みを解説したパンフレット及び請求用紙を無料で取り寄せることが可能です。